Hacca no Nacca
シナリオ本編
◆導入
赤蒸市の「川向う」にある古い屋敷の家主が探索者に屋敷を調べてくれるように依頼する。
前の借家人が悲劇に見舞われたので、家主は探索者に謎の出来事の原因を探り、問題を解決してほしいというのだ。
もしも解決したなら、1日経過ごとに4000円。
それに加え謎が解決して屋敷に問題がないと太鼓判がついたならこれらの報酬にさらに2万円を払うという話だ。
家主は屋敷の鍵と住所、前払い金として1万円を渡すだろう。
◆今までに起こったこと
向井一家は1年前にこの屋敷に越してきた。
来てから半年経過した頃に息子が行方不明になり、1カ月もしないうちに父親が大きな交通事故に遭い、しばらく経過してから狂気に落ちた。彼は精神病院にいれられたが、続くように母親も発狂した。
2人とも訳の分からないことを口走る中で、燃える目をした化け物がどうしたとか息子が連れていかれたとか言っていた。
家主は屋敷を購入する前から、あれは悪霊にとりつかれた家だという噂を聞いてはいたのだが、あまりにも値段が安かったためにあえて買ったのだった。
家主は探索者に悪い噂も消してほしいし、自分の心も安らぎたいと思って頼りにしている。
少なくとも悪霊を追い出すことだけはしてほしいと思っている。
◆向井一家
向井夫妻は赤蒸市の真ん中にある赤蒸市大病院の別棟である精神病棟に入院している。
夫の理雄はまだ狂気の症状が強く、体を丸めてなにごとかをブツブツと呟くだけで、情報を得ることは困難だろう。
妻の絵梨は話をすることも可能だが、KPは適当なところで会話を切り上げるようにさせなければならない。
なぜなら、探索者に事件の話を聞かれるにつれ動揺が激しくなるからだ。
あの屋敷には悪霊が住みついていて、彼女はそれについてはもう考えたくないということである。
燃えるような赤い目が私を見下ろして、何度も何度も体を嬲るというのだ。
彼女は錯乱状態になりながらアイツに息子を連れ去られたのだと主張するだろう。
◆コービット不動産
駅前にある不動産屋で、赤蒸市内のほとんどの不動産物件を取り扱っている。
屋敷について尋ねると渋い顔をしながらもいわく付き物件であることと最近売れたばかりだということを教えてくれる。
5年程転々と売り出される物件で、何故か買い取った家人のうち誰かが行方不明になるのだそうだ。
話過ぎたことに気がつくと口を閉ざすが、<信用>か<APP×3>に成功した場合この物件を初めに売りに出した有栖川一家が赤蒸市大病院に入院しているということをたまたま口にするだろう。
◆赤蒸市大病院
県内最大規模の病院で最新医療設備が完備されている。
探索者にこの病院の関係者が居た場合か事件に関してという名目でなら警察官がいた場合、有栖川悠人が入院していることは容易にわかるだろう。
探索者にこの病院の関係者が居る場合、有栖川悠人のことを知っているだろう。
探索者は宇佐美先生から少年を紹介されたことがあり、一度院内で遊んだことがある。
少年は探索者にとても懐いていて、「童話:不思議の国のアリス」を読んで欲しいとお願いされた記憶が蘇る。
どこにでもいる男の子だが、脳に腫瘍があり5年前から入院していることを教えてもらっている。
「有栖川悠人と話したい」と担当に言うと、危篤状態で話すことは困難であると教えられ有栖川悠人の母親である神野めぐみを紹介される。
母親の神野めぐみは意識がはっきりしており、話すことが可能である。
屋敷を建てたのは亡くなった旦那であること、屋敷がいわくつきの物件になっていることは全く知らないということがわかる。
有栖川悠人との関係性を尋ねると亡き旦那の連れ子であることを教えてくれる。
息子が大病を患い、続くように自身も病気に罹ったために、家を維持することが困難になり、入院をきっかけに売りにだしたことを教えてくれるだろう。
有栖川悠人の病室は母親の病室とは違って個室である。
部屋は電子音が響くだけで、静かである。
少年の手元には片目がない、赤いボタンの眼の白い少女のぬいぐるみがある。
枕元の引出しには童話が多くあり、一番上に「不思議の国のアリス」が置かれている。
他にはマザーグースを見つけることもできるだろう。
◆屋敷
木製のバンガロー風の屋敷である。
屋敷の正面は道路に面している。
屋敷の裏手は植樹された庭園だが、今は草木がはびこり、半分崩れかけた東屋が残っている。
屋敷の両側には裏手の庭へでるための小路がある。
カーテンは閉められていて、中の様子をうかがうことはできない。
正面の扉からはいると、玄関の先に廊下があり、廊下を挟むように6つの部屋がある。
内部構造は「悪霊の家」のコービット屋敷とほとんど同じである。
廊下のつきあたりには階段があるのもわかるが、室内は灯りがないからか昼間でも薄暗い。
電気はつかず、中へ入ると廊下にぽつんと置かれた白いぬいぐるみと目があう。
POW85との対抗、自動失敗で探索者はただちに気絶する。
◆夢の世界『Wonderland』
探索者はヒプノスの手で夢の世界『Wonderland』へ招かれる。
この世界ではすべての生物は配役を与えられ、各部屋にキャラクターが存在する。
キャラクターの役割やギミック・知っている情報などはこのページの最下部に掲載しているので、参照してほしい。
もちろん招かれた探索者も例外なく配役を与えられている。
配役の決め方はダイスロールで出目が小さい方がアリス役である。
もし推奨職業の警察官になっている探索者がいるならば、その探索者がアリス役である。
CAST:Alice
あなたはアリス。
金の鍵を盗んだあなたを女王は捜してる。
鍵なんて盗んでいないといっても聞いてはくれない。
女王は大罪人のアリスを殺しにやってくる。
けれど、白痴な女王様。
あなたをまだアリスとしっていないわ。
しられる前に女王を殺してしまえばいい。
もしくは、この国を殺してしまうのもいいかもしれないわ。
CAST:Watch Rabbit
あなたは女王とアリスの板挟み。
時計ウサギは常に困り顔。
困った時こそ秘密のナイフ。
あなただけしか知らない、あなただけの金のナイフ。
だれにも知られていなければ、どんなモノでも殺せてしまう魔法のナイフ。
マジックアイテム
魔法の金のナイフ
刺すその時まで、誰にもナイフの存在を知られていなければ、どんなモノでも殺すことができる。
誰にもにはプレイヤー同士もあてはまる。
グレートオールドワンしかり神話生物しかり人間しかり。
けれど、効果は一度だけしか発揮されない。
見た目は食器のナイフにしか見えない。
効き手側のポケットに入っている。
手で感触を確かめることができる。
◆白い部屋
無機質な真っ白い部屋で探索者は目を覚ます。
この部屋には探索者だけではな白い髪の少女が横たわっているのを見つけることができるだ。
少女をゆすると、寝ぼけながらも探索者の言葉に反応する。
しかし、声を出せないのか、会話をすることは不可能である。
また少女は左目を怪我しているのか片側を眼帯で保護している。
目星に成功すると部屋の一画にマザーグースの一文を見つけることができる。
ここに王国の鍵がある
その国には都市がある
その都市には町がある
その町には曲がった小道があって
その小道の先に庭がある
その庭の中には家が建っていて
その家の中では部屋が待っている
その部屋の中には一台のベッド
そのベッドの上にはかごがある
とてもきれいな花かごが
きれいな花はかごの中に
その花かごはベッドの上に
そのベッドは寝室の中
その寝室は家の中
その家は草の茂った庭の中
その庭は広い通りの先に
その通りは賑やかな町の中
その町は都市の中にある
その都市はこの国の中
ここにその王国の鍵がある
◆廊下
白い部屋の扉から外に出ると、一本の廊下がある。
廊下は薄暗く、部屋の光源となっているのは高さ3mほどの天井につるされたたった一つのランプと廊下の奥にあるサイドボードに乗せられた燭台のみ。
廊下の奥には絵が飾られており、その下には木製のサイドボードが置かれている。
絵画をはずしてから目星をすると壁の一角に手を入れる隙間があり、手を入れると地鳴りと共に目の前の壁が回転し、審判の間への道が開かれる。
なお、ヒントをすべて持っている場合は目星がなくても見つけることが可能である。
廊下を挟むようにそれぞれ左右に3つずつ扉がある。
それぞれの扉には金色のプレート板が簡素に掛かっていて、その板には文字が書かれている。
プレート板の裏に文字が書かれていることに探索者が気づかなかった場合、少女が探索者の手を引いて、プレート板の裏を見るように促すと良いだろう。
プレート裏にはそれぞれ詩が綴ってある。
それぞれの扉に近づいて目を凝らせば文字を読むことができる。
このダンジョンには9つの部屋で構成されている。
部屋1は、探索者が目覚めたはじまりのへやである。プレート裏「たいようはここからのぼり せいをうける」
部屋2は、廊下である。
部屋3は、公爵夫人のへやである。プレート裏「あなたの友人が子供をあやしているわ たのしくわらって踊りましょ」
部屋4は、ジャバウォックのへやである。プレート裏「かれはあなたのしもべ ねむるきみをまもるハートのジャック」
部屋5は、お茶会のへやである。プレート裏「まもりたいのならアナタは彼のゆめをナイフでこわさないといけないよ」
部屋6にはチェシャ猫がいる。プレート板はかかっておらず部屋の名称は探索者はわからない。
部屋7は、ネズミのへやである。プレート裏「あわれなねずみ しけいのじかんがまたくるわ」
部屋8は、芋虫のへやである。プレート裏「アナタに忠告 気をつけて ゆめからでるなら 鍵を探して」
部屋9には王様がいる審判の間である。探索当初はこの部屋を探索者は知らない。
◆公爵夫人のへや
この部屋にはギミックが仕掛けられている。詳細は最下部キャスト一覧の星の精に書いている。
部屋には暖炉の前で年季の入った木製のロッキングチェアに座ってくつろぐ公爵夫人と姿の見えない星の精がいる。
図書館なのではないかと思うほど壁一面が本棚で埋まっている。
本棚には古今東西から取り寄せたのではないかと感じるほど様々なジャンルの本が置いてあり、魔導書からおとぎ話・伝承や専門書までそろえられている。
公爵夫人の手には白い布で覆われたそれをくすくすと歌うようにあやしている。
「おまえの小さな坊やをどなりつけろ。くしゃみをしたらぶんなぐれ。くしゃみをするのは困らすため。からかうためにやるんだよ」と、探索者には目もくれずあやし続ける。
聞き耳をすれば、女性の歌に混ざるように気味の悪いクスクスとあざ笑う声が聞こえる。また、女性の方からわずかに死臭を感じるだろう。
目星▶公爵夫人
機嫌よくあやしている赤子が探索者は気になる。
女性は一見すると赤子をあやしている良き母に見える姿だ。だが、赤子を見れば布の合間から手足があり得ない方向にまがっているのを探索者は見てしまう。
女性があやしているのが赤子の形をした肉であると理解する。
SAN値チェック(1/1+1D2)
目星▶部屋
部屋の一画の暗がりにダークブラウンの小さな机を見つける。
机の引き出しの中には鉄板が入っている。
鉄板には「かぎはアリスとともにある。アリスはかぎをみているの。はじめからそこにあるのに。ちいさなあなたはきづけない」と書かれている。
図書館
本を読む(P102)を成功すると、黒い表紙の表題が書かれていない本を見つける。
中を開くと白紙ばかりが目立つが、あるページにでかでかと一言「死ぬことが許されるのは2回まで」と書かれている。
その文字は粗く、ミミズが這ったような筆跡である。
この文字に対して、医学が成功すると昏睡状態になる直前に書いたとわかる。
本を読むを失敗した場合は本棚から一人でに誰かが書き残した手書きの研究書が落ちる。
内容は星の精に関する研究資料である。
◆ジャバウォックのへや
この部屋は天井が見えないほど高く、真っ暗である。
部屋の奥には手のひらサイズの小箱が置いてある。
この小箱に気がつくためには、目星判定をする。
もしも光源を持っていない場合は、目星の半分の出目で成功しなければならない。
目星に成功した場合、小箱だけでなく、疎らに内臓をぶちまけた人間の死体が点々とあることがわかってしまう。
SAN値チェック(1/1D4+1)
扉を開けた時点で、忌まわしき狩人は臨戦態勢にはいり、燃えるような赤い眼をギラつかせ、唸り声をあげて降下する。
1d6ラウンド後に忌まわしき狩人は地上に降り、戦闘が始まる。
探索者が扉を開け、小箱を入手し、部屋を閉じるという行動をするには3ラウンドかかる。
小箱の中身は赤い瞳の目玉が大切に保管されている。
この赤い瞳の目玉は、審判の間(部屋9)のギミックアイテムである。
◆お茶会のへや
この薄暗い部屋には至るところに植物が植えられている。
中央には木目調の長テーブルがあり、テーブル上には赤い液体の入ったグラスと色とりどりの料理が置かれている。
その料理を囲むようにシルクハットを被った初老の男性と顔が見えないように黄色いローブを羽織った人物が座っている。
二人は楽しそうに交互にうたっている。
何か1つダイスロールをすると、歌っていた人物達が探索者たちに気がついてお茶会に招待しようとする。
二人は信仰する神は違うが、お互いの信仰心が高いことを理解している。
相手を否定せず、自分の考えを強要せず、互いに神への祈りを捧げる。
私は金の錠前です
僕は金のカギです
私は銀の錠前です
僕は銀のカギです
私は真鍮の錠前です
僕は真鍮のカギです
私は鉛の錠前です
僕は鉛のカギです
私はモンクの錠前です
僕はモンキーです
目星▶料理
肉料理が多く、野菜は少ない。
すべての料理に猫が食べると有害なものが使用されている。
料理を食べた場合はアイデアの半分で強制判定し、成功すると使用されている食材は人肉なのではないかと思ってしまう。(0/1D3)
グラスに注がれた液体を香るとワインであることがわかる。
目星▶食器
二人のNPCの席にある食器に目がいく。
他の席のグラスが透明なガラスに対して、二人の席のグラスだけ金の盃で出来ている。
この事実について質問すると、金の盃には神に捧げる血を注いであると答えるだろう。
金の盃を飲もうとすると、二人は神を冒涜されたと思い激昂して襲い掛かってくる。
目星▶黄色いローブ
ひどい猫背で、きつい香水の匂いがする。
聞き耳で嗅覚を代用して判定が成功すると、なまものが腐ったようなにおいがわずかにかぎ分けることができる。
◆プレートのかかっていない部屋
この部屋にはライオン2頭分はあるのではないかと思うほどの大きなチェシャ猫が鎮座している。
部屋は廃墟を思わせるほど荒れており、光源は部屋の壁に掛っている一本の蝋燭だけである。
壁には「なんでもしってて なんにもしらない おかしなねこだ ころしてしまえ!」と殴り書いてある。
「だれがころしたクックロビン♪それはわたしとスズメがいった♪弓と矢羽でわたしが殺した。クックロビンを。」猫は愉快そうにクックロビンの歌を歌う。
探索者が何も入手せずにこの部屋に入った場合は「まずは他の部屋を見てごらん。真実は目にしなきゃぁ、映らない」といって眠る体勢に入る
審判の間がみつからないままここにくると「死はここではぞんざいで、詩はここでは最も尊ばれる。よく考えて、しの意味を」とケタケタと嗤う。
何故協力してくれるのかを尋ねると「我らの王からのお願いを無下にはできないのでね」と慇懃無礼に答える。
チェシャ猫はある程度は質問に答えるが、質問が多すぎる場合「死にそびれた世界で最も美しい帽子」を要求する。
これは王冠を指している。
要求通りに持ってくるとチェシャ猫は役者のように口ずさむ。
「王はいつだって女王の影。王の想いを女王が描く。 女王はなんだって叶えて見せる。おかしな話さ、王は神に操られているのにね」
「狂った夫人に憐れな鼠、イカれた茶会に、敬虔なナイト、操られる王に夢見る女王様。もの知らずの猫は革命家を待っているのさ。」
「だれがころしたクックロビン♪それはわたしとスズメがいった♪弓と矢羽でわたしが殺した。クックロビンを。」
「さぁさ、役者は揃った。楽しい楽しい喜劇を見せておくれ」
◆ネズミのへや
コンクリートで塗り固められた部屋である。
部屋をちいさな鼠が駆けずり回っているが、扉から出ていく様子はない。
走りまわる鼠に人間の顔がついていることがわかる。
また、その人間の顔は向井理雄である。
人面ネズミはひどく狼狽しており、精神分析をして成功することで会話が可能になる。
会話に成功すると、鼠は「たすけてくれ、あかいめがわたしをころしにくる」とおびえている。
たすけてあげるから落ち着いてなど表面上だけでも優しく気遣うと、ネズミは体を丸め短い腕で自身の頭を撫でる。
その後、鼠は何かを思い出したようにコンクリートの隙間の穴から破れたメモ用紙を引きずり持ってくる。
ネズミはジャックの部屋で見つけたこと、大切なものだと思い保管していたことを探索者に伝える。
風が東寄りに吹いてるときは人にも獣にもいいことがない
風が北寄りに吹いてるときは腕利きの漁師も漁をしない
風が南寄りに吹いてるときは魚でさえ餌を吹き飛ばされる
風が西寄りに吹いてるときは誰にとっても万々歳
◆芋虫のへや
部屋は完全なる闇で、廊下の明かりが漏れてわずかに照らしているにも関わらず部屋の全貌を見通すことはできない。
ずるずると何かが這い回る音が聞こえる。
目を凝らして中の様子を伺う場合は目星の半分でロール。成功した場合はドールを目視してしまう。
扉をしばらく開けていると地を這うような低い声で「明かりを消せ」という言葉が飛んでくる。
扉をしめると、ドールと会話することが可能になるが、明かりをつけた場合はドールが襲い掛かってくる。
◆審判の間
この部屋にはギミックが仕掛けられている。詳細は最下部キャスト一覧のイゴーロナクに書いている。
審判の間への道が開かれる。
廊下から続くように毛の立った赤絨毯が二つの玉座まで伸びている。
左の玉座には有栖川悠人の姿をしたヒプノスが眠るように鎮座している。
右の玉座には誰も座っていない。
二つの玉座の間に鍵穴を見つけることができる。
金の鍵を差し込めば、探索者は夢から脱出できるだろう。
探索者が金のナイフでヒプノスを刺せば、夢は壊れチェシャ猫によって無事に脱出させてもらえるだろう。
◆夢からの脱出後
探索者はニャーという鳴き声で目が覚める。
猫は喉をごろごろと鳴らしながら、探索者たちが目覚めるのを待っていた。
ついてこいと言わんばかりに裏口から家の外へと猫はでていく。
猫は庭に到着すると、また鳴き、土にじゃれつきはじめた
その場所を掘り返すと、銀色の箱に入ったタイムカプセルがみつかる。
箱をあければ中には二つの日記帳や白いウサギのぬいぐるみ、写真がでてくる。
ぬいぐるみは気絶する前にみたぬいぐるみで間違いないようだ。
写真は有栖川悠人が家族と楽しそうに過ごしている写真が多い。
アイデアに成功すると、有栖川悠人の実母の姿が見当たらないことに気がつく。
日記は有栖川悠人が書いたものと神野めぐみ夫人が書いたものが入っている。
神野めぐみ夫人の日記には、自身が子供を産むことができない体であることや有栖川悠人が実母からネグレクトを受けていた事実、有栖川悠人を息子のように扱うためにどう向き合うべきかが綴られている。
有栖川悠人が書いたものには実父と継母と過ごした日々が書かれているが、その中にこのような一文があった。
「ゆめをみました。きれいなかみさまがぼくをみていました。きれいなかみさまがぼくたちのだいすきなものがたりをいっぱいはなしてくれました。とてもおもしろかったです。」
その後、探索者がどのように行動するかは自由である。
CAST:King
ヒプノス
ヒプノス(P225)は有栖川悠人の姿を借りて、王という役を最低限果たしている。
ヒプノスに与えられた役は、夢の世界を維持することである。
本来ヒプノスが夢に招いた者に役を当てているが、今回はチェシャ猫であるニャルラトホテプが介入したために、ヒプノスは探索者がどんな役目を与えられているか知らない。
だから、ニャルラトホテプを危険視している。
CAST:Queen
イゴーロナク
片目の白い少女の体にイゴーロナク(P207)が寄生している。少女はこの世界の仕組みを何も知らない。
イゴーロナクになる条件は審判の間に入った時点で少女の失っていた赤眼を持っていない時である。
イゴーロナクは気ままに役割を果たしている。
役目は「王様を楽しませる」ことである。
CAST:Duchess
星の精
星の精(P190)は公爵夫人と名乗る女性と共存している。
公爵夫人は狂気状態である。
精神分析をすれば多少会話は成立するが、ほとんどは意味のない言葉遊びばかりだ。腕に抱く赤子だったものは流産した自身の嬰児である。
星の精は条件が揃うと探索者に攻撃する。
まずKPは1d10のロールをする。
次に探索者がロールした際にKPの出目の数字が含まれている場合のみ、1D2本の触手で噛みつきの攻撃をする。
この部屋において、ファンブルを出すと吸血行動をして通常戦闘が始まる。
クリティカルの場合は星の精がその探索者に対してだけ今後攻撃しない。
CAST:Jabberwock
忌まわしき狩人
忌まわしき狩人(P169)は役を全うし、この部屋に入るあらゆる生物を殺している。
忌まわしき狩人に与えられた役は小箱を守り通すことである。
CAST:MadHatter
グラーキの従者
グラーキの従者(P176)はグラーキから解放された生きる屍である。
言葉遊びを好んで会話に混ぜるのでわかりにくいが、会話をすることは可能である。
チェシャ猫が王国に侵入者を招いたことやそのことが王様の琴線に触れたこと、王様が公に出ないことを知っている。
CAST:MarchHare
グール
グール(P180)は役を演じている。
言葉遊びがあまり得意ではないが、イカレ帽子屋の口調を真似て話している。
会話をすることは可能である。
女王がいつからか様子がおかしくなったことや女王がアリスを処刑したがっていること、チェシャ猫が王国から追放されるかもしれないという噂を知っている。
CAST:Cheshire Cat
ニャルラトホテプの化身
ニャルラトホテプの化身の1つとしてチェシャ猫で登場する。
おどけたような変わった話し方をするために胡散臭く感じるだろう。
探索者を王の下へと導こうとする。
王殺しをやんわりとすすめてくる。
他のキャストと違い、SAN値チェックはない。
CAST:Dormouse
ネズミ怪物
このネズミ怪物(P185)は夢の世界に招かれた人間のなれの果てである。
訪れた人間やヒプノスに気に入られなかった人間が配役されることが多い。
何事に関しても異常に怖がるため、会話するには精神分析や信用が必要だ。
ジャバウォックの餌になって死んだことがあるため、ジャバウォックのことを異様に恐れている。
また、白い少女の眼はジャバウォックのことを思い出すため、かなり動揺する。
CAST:Caterpillar
ドール
ドール(P184)は警告役として登場する。
わずかな明かりも好まない。
どこか諦観している節が見受けられる。
女王が嫌がるようなことを探索者がするようであればやんわりとやめるように警告をする。
例えば、王様を殺そうと探索者が思っている場合は王を殺してはいけないと警告するだろう。