Hacca no Nacca
シナリオ本編
◆導入
貴方は眠りの淵。
うつらうつらと、疲れていたのか深い眠りに入ってしまう。
起きないといけない。
けれど、もう少しだけ眠っていたい。
微睡む眠り。
ふわりふわりとあなたは目を覚ます。
◆自室
見覚えのある天井。
その天井は実家の自分の部屋だ。
帰ってきて私服のままで眠ってしまっていたようで、服はラフな私服のまま。
起きたにも関わらず、体の筋肉がほぐれた感覚はない。
あまりよく眠れなかったのかもしれない。
いまは夕方なのか、橙色の優しい光が部屋をカーテン越しにもわかる。
ここはNPCの思い出の場所でもある、中学時代の探索者の部屋である。
部屋の荷物もすべて、中学時代に所持していたものだ。
この空間はNPCの心象風景のため、カレンダーの年月は黒く塗りつぶされている。
窓の外は筋肉が蠢く様子を間近でみることになる。
見た場合SAN値チェック(1/1d3)
まカーテンを開けることはできるが窓を開けることはできない。
不思議なことに部屋の荷物を持っていくことは可能である。
【1】
<目星>ズボンのポケットの中になにかの葉が入っていた。
薔薇の葉にも花言葉があり、意味は「あきらめないで」「希望」である。
【2】
何も所持していない。
10分経過
現実世界で10分経過すると、探索者に<目星>を強制でダイスロールしてもらう。
部屋の片隅、窓際がセピア色へと徐々に変化していることに気がつく。
現実なら起きない出来事に直面した探索者はSAN値チェック(1/1d3)
さらに窓際がセピア色へと変化しているというのに、窓からカーテン越しに射す光は禍々しいと思えてしまうほどの赤橙で自分を照らしている。
20分経過
<目星>をしなくても部屋がセピア色に徐々に変化していることに気がつく。
このことに気がついていなかった場合、SAN値チェック(1/1d3)
部屋はセピア色に完全に変色し、窓から何もかもを飲み込まんとする黒が浸食していく。
黒に触れると、急激な眠気に襲われその場に倒れてしまう。BADENDへ
黒から逃げる場合はDEX10との対抗。
◆学校の教室
部屋の扉を開けると、そこには白いチョークの残りカスのついた黒板に茶色い学習机と椅子がセットでいくつも並べられている部屋――とても見覚えのある教室に出る。
背の小さな学習机に、教室の後ろに貼られた、達筆とは言い難いいくつもの半紙。
ここは、確かに自分の小学生時代の教室であった。
奇妙な体験をした探索者はSAN値チェック(1/1d3)
窓は一面カーテンでぴったり閉められているものの、カーテン越しにでも教室は西日で染まっていた。
机と椅子が後ろのロッカー側に引かれている。
そして、教室の真ん中に人間が仰向けに倒れていた。
ここは小学生時代の思い出の教室である。
自室と同様、ここもNPCの心象風景のため窓を開けることができない。
倒れている人間はNPCの心の一部である。
『地獄の植物』に体も心も侵蝕されているため、記憶喪失に陥っている。
また探索者もこの影響を受けているため、NPCに見覚えがない状態である。
教室に入ってからは自室に戻ることはできず、扉を開けた場合は高校時代の思い出の場所に到着する。
<目星>
ロッカーの上には学級文庫が置いてあり、何冊か本があるようだ。
日本の歴史・ギリシャ神話・星の図鑑・動物図鑑・植物図鑑や児童書籍が置かれている。
小学生時代の教室に同じ書籍が置いてあったかを思い出す場合は<INT×3>をロールする。
<教室の扉を開ける>
廊下は真っ暗で何も見えない。
どこまで続いているのかは<目星>をしてもわからないだろう。
【1】
倒れている人間が組んでいる手の中には薔薇の花がある。
NPCと会話をすることでわかる事柄は、NPCに記憶はないがこの場所に見覚えがあることはわかる。
NPCは自分の名前も思い出せないようだ。
【2】
<INT×3>※NPCも振る
成功すれば、相手に見覚えがある。
しかし、どこで見たのかまでは思い出せない。
10分経過
探索者に<目星>を強制でダイスロールしてもらう。部屋の片隅、窓際がセピア色へと徐々に変化していることに気がつく。
以下、まだ見ていない場合に発生する。
現実なら起きない出来事に直面した探索者はSAN値チェック(1/1d3)
さらに窓際がセピア色へと変化しているというのに、窓からカーテン越しに射す光は禍々しいと思えてしまうほどの赤橙で自分を照らしている。
20分経過
<目星>をしなくても部屋がセピア色に徐々に変化していることに気がつく。
このことに気がついていなかった場合、SAN値チェック(1/1d3)
30分経過
部屋はセピア色に完全に変色し、窓から何もかもを飲み込まんとする黒が浸食していく。
黒に触れると、急激な眠気に襲われその場に倒れてしまう。BADENDへ
黒から逃げる場合はDEX10との対抗。
◆高校生時代の思い出の場所
高校生時代の探索者とNPC共通の思い出の場所である。
本シナリオでは一例としてプラネタリウムで書き綴る。
変更してはいけないのは、時間経過で発生するイベントと【1】の情報のみである。
プラネタリウムのような窓のない密室で時間経過イベントが発生した場合は、30分経過した時点で30分経過イベントを発生させる。
教室から出て廊下と思しき真っ暗な空間を歩く。
こつりと、何かが足に当たる。
暗闇に慣れた目はそれ、座椅子を捉える。
座椅子は一つだけではなく、扇形状にいくつも並べられている。
何かの起動音と共に天井にはいつの間にか星がいくつも輝き始める。
どうやら、この部屋の中央の投影機が正常に作動したようだ。
しかし、周囲には人はいない。
<天文学>
NPCの誕生月の星々が輝いている。
<出入り口の扉を開ける>
扉の先は真っ暗で何も見えない。
どこまで続いているのかは<目星>をしてもわからないだろう。
【1】
<目星>-15 1つの座席にトゲつきの茎が置いてある。
ちなみに、薔薇のトゲの花言葉は「不幸中の幸い」である。
【2】
<INT×5>
高校生時代にこの景色を見た記憶がよみがえる。
ぼんやりと幼馴染の記憶を思い出す。
さらに、<INT×2>
その幼馴染の容態や、一緒に探索しているNPCが幼馴染であることを思い出す。
【01】
ここはNPCの最深部であり、地獄の植物の根城でもある。
辺りは真っ暗で何も見えない。
部屋に入ると、探索者が持っている薔薇が輝く。
薔薇が輝くとともに、辺りを照らし地獄の植物を目視してしまう
だろう。SAN値チェック(1/1D10)
完成させた薔薇をガラスの台座に置くことでNPCに根付いた地獄の植物は死滅する。
また、『呪文:地獄の植物の退散』を唱えることで地獄の植物はNPCの心身から退散する。
地獄の植物が死滅あるいは退散した場合、GOODENDへ
<目星>
化け物に対して
怪物の手前にガラスの台座を発見する。
部屋に対して
その怪物の後ろにも空間が広がっているのではないかと感じる。
【02】
ここはNPCの最深部であり、地獄の植物の根城でもある。
辺りは真っ暗で何も見えない。
部屋の中央には輝く薔薇がガラスの台座の上に置かれている。
そして、あなた達探索者は見てしまうだろう。
わずかな光量でうっすらと浮かび上がる地獄の植物を目視した探索者はSAN値チェック(1/1D10)
薔薇を破壊することで探索者はこの空間から脱出をすることが可能である。破壊した場合はNOMALENDへ
『呪文:地獄の植物の退散』を唱えることで地獄の植物はNPCの心身から退散する。退散した場合はGOODENDへ
<アイデア>
化け物は輝く薔薇を守っているように感じるだろう。
<目星>
その怪物の後ろにも空間が広がっているのではないかと感じる。
ガラスの台座へ行く場合は2ラウンド消費する。
さらに薔薇に影響を与える場合は1ラウンド消費する。
化け物の後ろへ回るのであれば、DEX対抗を1度成功することで後ろへ回ることは可能である。
地獄の植物(MM P51~P52)
STR20 CON50 SIZ20~ INT7 POW18 DEX13 移動0 耐久力 30+毎ラウンド2d6成長
巻きひげ 80% ダメージ1d6+毎R1STR吸引
組付きが成功した場合、呑み込み。探索者を呑み込んだ場合はBADENDへ
◆記憶の間
ここは魔術師とNPCが出会ってしまった時の記憶の間
魔術師はNPCを気絶するまで倒し、気絶したNPCの口に種子を含ませてから呪文を呟く。
周囲にNPC以外の人間がいた場合は、大量殺戮をしてその生き残りとなったNPCを苗床にしようとするだろう。
SAN値チェックはKPの裁量に任せる。
アイデアか聞き耳に成功した場合【地獄の植物の根を張る/地獄の植物の退散】を一時的に覚えられる。
この空間は魔術師の因子とNPCの記憶が混同された空間のため、魔術師から一時的に影響を与えてしまう可能性がある。
魔術師の<狂人の洞察>が成功した場合、魔術師は探索者に気づき目があう。
魔術師は探索者に笑いかけた途端、探索者の意識はばっつんと途切れてしまう。BADENDへ
魔術師の<狂人の洞察>が失敗した場合は辺りが暗闇に包まれて、再びあの地獄の植物の間に戻されている。
NPCに頬を叩かれて、呼びかけられて目が覚めたようだ。
魔術師のINTは18である。